カニャ(ガールズ)キャンパス・ポカラ (ネパール)交換留学生レポート

2010年度
体験記

Name: M.N.

ネパールでの留学

2011年1月9日から3月9日までネパール・ポカラの文京学院大学とカニヤ・キャンパスポカラの交換留学協定に基づく最初の留学生として3ヶ月間滞在しました。私は、修士論文のテーマに『ネパールにおける女性のための保健体育教育』を選んでいたので、留学を決意しました。 ポカラは、首都カトマンズに次ぐ都市です。8000m級の山々がペワ湖に影を落とす観光名所で、レイクサイドには多くの観光客が長い時間を過ごしています。レイクサイドから車で20分ほど行くとナディプールという街があり、そこにカニヤ・キャンパスとさくら寮があります。ナディプールの街は静かで、アンナプルナ連峰の一つマチャプチャレが一望できる所です。カニヤ・キャンパスの周辺区域には他にもキャンパス、小学校、トレーニングスクールや学生寮などあり、治安の良い街といえます。  

ネパールの進学課程は、日本と少し異なり、カニヤ・キャンパスは、日本でいう短期大学にあたり、16歳から20歳前後の学生が通っています。カニヤ・キャンパスは、女子大で教育コースやマネイジメントコースなどがあり、学生たちは将来に沿ったコースを受講し、キャンパスは早朝から多くの学生で賑わっています。カニヤ・キャンパスの敷地の一角にあるのが、さくら寮です。さくら寮では、地方から来た20名の学生が共同生活を送り、食事の用意や掃除など、すべてを学生たちが行っています。カニヤ・キャンパス、さくら寮には私以外の外国人はおらず、ネパールの言語、文化、習慣を思う存分に味わうことができます。    

ネパール語は、英語と違い、自らの意思がない限り触れる機会がない言語と言えると思います。普段の会話をする程度の語学ならなんとか覚えられそうですが、授業を受ける時はどうしようと不安でした。カニヤ・キャンパスの授業はすべてネパール語で行われるため、授業内容を理解するのは困難なので、ネパール語に慣れるためという意味で、他の学生と一緒に座り受講していました。  さくら寮で暮らす学生たちは、卒業後は教師を目指しているため、教育コースを受講しています。教育コースは午前から開講され、教育学・国語・英語・国語・保健体育があります。毎日同じ教科を週6回という時間割で構成されています。授業の内容は、ネパール語で難しい単語など使われているためネパール人でも難しいと感じるようで、唯一、わかるのは英語の授業でした。学生たちは、積極的に質問や発表をしていて、日本とは違う風景でした。  

さくら寮での生活は、なに不自由なく過ごすことができました。ネパールは電力不足なため地域によって1日14時間停電があり、夜でも電気がないことが多く、電気がない昼間は水道水が出ないこともあります。首都カトマンズやポカラは人口が多いため、1日14時間停電が行われています。1日24時間電気があり、好きな時にものが買える日本とは大きく生活様式が変わり不便に思ったこともありました。私は、つい通電の時間を気にしてしまいがちになっていましたが、地元の人たちはいつ電気が来ようがあまり気にはならないようでした。ネパールでは、本当に人々がゆっくりと時間を過ごし『ネパール時間』という独特の時の流れがあり、日本のように時間に追われるような生活ではありませんでした。  

さくら寮では、食事も掃除も当番で分担されていて、学生たちがみな自分たちでやっています。ネパールの主食はカレーで朝晩食べます。日本のカレーとは違い、汁はなく、いくつものスパイスで炒めた野菜・豆のスープ・米を一つのお皿に盛り、これをダルバートと呼びます。私は、1カ月もすれば飽きると思ったのですが、毎日微妙に違う味付けや野菜で3ヶ月間飽きることなく食べることができました。  

さくら寮の学生はとても勉強家で、学校以外に朝4時に起きて自主勉強をしている子もいて本当に驚きました。授業中もわからないところは積極的に先生に質問をし、わかるまで説明をしてもらっていて、このような受講態度は日本の大学ではあまり見られないと思いました。さくら寮生とは3ヶ月間毎日時間を共にし、彼女たちは、ネパール語の良い先生でもありました。始めのころはネパール語の会話本を片手に意味を教えてもらいながら会話をしていましたが、だんだんと慣れ、自然と本無しで会話できるようになりました。ネパールの人達はとても優しく笑顔の素敵な人ばかりで、みんな親切にしてくれました。  

ネパールは、ヒンドゥー教徒が多く、いろいろな神様が存在し、お祭りと休日の多い国です。お祭りの日はみんなでお祝いをし、様々な行事を体験することができました。中でも私がおもしろいと思った行事は、勉強の神様を祭る日とホリというティカと水を掛け合うお祭りでした。勉強の神様を祭る日は、学生たちのみ休日でそれぞれ学校へ行き神様へ学業成就をお願います。ホリ、はティカという色のついた粉と水を水風船に入れ、誰かまわず掛け合う人気のお祭りです。この日、外を歩けばみんな顔が赤や緑といった色になり面白いお祭りでした。 ネパールは途上国ですが、訪れた人たちはみなネパールに魅了され何回も訪れる人が多い国です。ネパールでも都市部では、日本とあまり変わらない割と都会的な暮らしをしていますが、少し車を走らせ山へ行くと小さな集落があり、多くの人が自給自足の暮らしをしています。その光景を見ると、多くの日本人は、昔の日本と一緒だと口をそろえて言い、懐かしい気分になります。ネパールでは、普段の生活のなかで、文化・習慣の面からギャップを感じることがいくつかありますが、どれも日本や他の国では味わうことのできない体験ばかりで、すべてが新しい発見になりました。ネパールは、途上国で貧しい人たちばかりではないかと思われがちですが、人々は生き生きとし活気ある国です。国全体を見れば、経済的には貧しいけれど、人々の心や豊かな人間性は日本をはじめとする先進国にはないものがあり、そうした豊かさを味わうことができる国です。自分自身の研究のためにもなり、ネパール人の生の生活を味わうことができた貴重な3ヶ月でした。


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